]U 痴呆をよく理解するための7大法則・1原則

神奈川県・川崎幸クリニック院長
社団法人呆け老人をかかえる家族の会理事
               杉山孝博

                        
第1法則=記憶障害に関する法則
記銘力低下(ひどい物忘れ)。全体記憶の障害。記憶の逆行性喪失。

第2法則=症状の出現強度に関する法則
より身近な者に対して痴呆症状がより強く出る。

第3法則=自己有利の法則
自分にとって不利なことは認めない。

第4法則=まだら痴呆の法則
正常な部分と痴呆として理解すべき部分とが混在する。初期から末期まで通してみられる。常識的な人だったらしないような言葉をお年寄りがしているとき、それは「痴呆」。 

第5法則=感情残存の法則
言ったり、聞いたり、行ったことはすぐ忘れるが、感情は残像のように残る。

第6法則=こだわりの法則
ひとつのことにいつまでもこだわり続ける。説得や否定はこだわりを強めるのみ。本人が安心できるようにもっていくことが大切。

第7法則=痴呆症状の了解可能性に関する法則
老年期の知的機能低下の特性からすべての痴呆症状が理解・説明できる。

介護に関する原則
お年寄りが形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実のギャップを感じさせないようにする。