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◆空腹感の正体◆

胃袋が空になったから空腹になるんでしょうか。いいえ。手術で胃袋を取ったとしても、空腹になります。 空腹とは、「脳が糖質をほしがっている」状態です。

健康な人の体は、通常血糖値をだいたい100(1デシリットルあたり、100ミリグラム)に保とうとします。そして食事をとると、血糖値が上がります。逆に、食事をとらない時間が長かったり、運動したりすると、血糖値は下がります。
血糖値が下がると、糖質しかエネルギーとして使えない脳がアラームを出します。活動レベルが低下するからです。これが、空腹感の正体です。
血糖値は、健康な人なら80〜100mg/dl(空腹時)
空腹時や少し激しい運動直後、また朝おきたときは、60〜70ミリグラムにまで落ちこむこともあります。

では、断食とかで食事をしなかったら、どんどん血糖値は低下するのでしょうか?いえ、そういうわけでもないんです。
食事をとらないと、12時間で脳に供給すべきブドウ糖は、供給不能になります。
すると、今度は細胞側ではやむをえず脂肪や蛋白質を分解して糖分を作ります。このとき、脂肪やタンパク質を分解した結果、老廃物「ケトン体」っていうものができるのですが、絶食すると、2日ほどで糖質の変わりに「ケトン体」が脳の主用なエネルギー源になります。

【余談】 空腹感をなくす(少なくする)方法
これはあくまで参考的な方法ですが、ある程度空腹感を抑える方法があります。
それは、飴玉(キャンディー)を定期的に舐める方法です。
飴玉はカロリーが高そうに見えますが、実際は1粒あたり30〜40kcal程度です。
また、飴玉はほとんどが糖分であるため、すぐに血糖値に反映し、空腹感が減少します。
空腹時に衝動的に菓子パン1個食べてしまうと、すぐに300〜400kcal摂ってしまうのですが、飴玉だと続けて2〜3個食べると、普通は飽きます。10個も続けて食べれるものではありません。

現実に、病院で膵炎や胆石など消化器系疾病治療の一環として断食を行わせる場合、1日に400kcal程度のアミノ酸・ビタミン類を点滴で与えますが、体力低下を防ぎ飢餓感を抑えるために、タンパク質や脂肪分を含まない飴玉やジュース類は好きなだけ摂るように指導する場合があります。
この場合、空腹感はかなり抑えられるのですが、それでもほとんどの患者さんは1週間もするとかなり痩せてきます。なぜでしょうか?
病院では激しい運動はありませんから、一日に必要な熱量を仮に1200kcalとします。400kcalを点滴で摂っていますので残り800kcalなのですが、これを飴玉で摂るには1日20〜25個、眠っている時間を考えれば1時間に1個以上のペースで食べることになります。これはまず無理です。飽きてしまって、せいぜい2〜3時間に1個がいいところなのです。

カロリー制限がどうしても必要な場合、飴玉を使って空腹感をコントロールするという方法もあるということですね。なお、ノンシュガーの飴では空腹感を抑える効果はあまりありません。
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