|
◆肥満の原因。◆
食べ過ぎれば太ります。それが大原則です。
食べた分のカロリーが、体が必要とするカロリーよりも多ければ残ります。この残ったカロリーは脂肪細胞のなかに貯えられ、万が一の飢餓に備えます。でも、現代では飢餓状態になることなどないので、蓄えられた脂肪を使う場面はなく、摂取カロリーが多ければ多いだけどんどん蓄積されていきます。
脂肪1キロ分は約7,000kcal(キロカロリー)です。つまり食べ過ぎによって余ったカロリーが溜まって、7,000kcalになる度に体重が1kgずつ増えていきます。
体が使ってしまえる分だけのカロリー摂取にとどめて、それ以上は食べないようにすれば肥満にはなりません。
仮に生まれつき肥満遺伝子というものを持っていて、他の人に比べて栄養の吸収効率がよいとしても、食べた分のカロリー量を全部きれいに使い切ってしまえば肥満にはなりません。
- 「レプチン」異常
1994年にアメリカ ロックフェラー大学のグループがマウスによって肥満遺伝子を確認しました。
この遺伝子に異常があるマウスは、「レプチン」というホルモンが体内で作られないのです。
レプチンは脂肪細胞から分泌されるたんぱく質で、脳の視床下部に作用し、食欲をコントロールしたりエネルギー代謝にかかわることが知られています。レプチンが欠如すると、異常に食欲が昂進するうえ、エネルギーの消費が減ってしまうため、肥満してしまうことになります。
しかし、人の肥満についてはこのようなケースはごく稀で、遺伝的に太る体質の人は非常に少ないのです。
実は、肥満者の95%はレプチン欠乏ではなく、「高レプチン血症」を呈しているからです。これはレプチンがあっても「効かない」という状況を示しています。
レプチンは体のなかの体脂肪が増えると分泌量が増加し、体脂肪の量を一定に保つように働きますが、このような状態が長く続くと「レプチン抵抗性」、つまり脳に満腹サインが行かない状態になります。
高脂肪食を摂り続けても、このレプチン抵抗性が高まることが知られています。
- 変則的な食事パターン
1日の摂取カロリー量が同じでも、食べる時間によって体脂肪の蓄積には違いがあります。
いわゆる夜食はダイエットの大敵です。寝る前の2〜3時間以内の食事は、脂肪を体にため込みやすくしてしまいます。
人間の体をつかさどっている自律神経系のなかで、休息や寝ているときに働く副交感神経が優位になると消化管機能が高まり、食べたものが貯蔵されやすくなるからです。
夕食が1日の中で一番豪華で、1日の総摂取カロリーの半分以上を占める人の場合には要注意です。また、夕食・夜食を食べ過ぎるとそれによって朝の食欲がなくなり、結果、欠食を生むことにもなります。これも肥満の大きな原因です。
- 運動不足
運動と肥満の関係は、実は消費するカロリーだけの問題ではありません。
運動不足になると、消費するカロリーが減るだけではなく、脂肪の合成を促す酵素の働きが高まるために脂肪合成されやすい代謝状態になってしまうのです。
さらに、運動不足の体は基礎代謝量を減少させてしまうこともわかっています。
普通の人の軽い運動によって消費されるカロリー量などたかが知れているのですが、大事なのは物理的に消費されるカロリーの問題ではなく、運動を欠かさないように心がけることによって太りにくい体が出来てくるのです。
- 過食
空腹感・満腹感の正体の項で詳しく説明しますが、食欲のスイッチをON、OFFさせているのは、脳の視床下部にある満腹中枢と摂食中枢です。血液中の糖分(血糖値)が少なくなりエネルギーの必要性をキャッチすれば、『食べたい』という摂食中枢がONにななり、血糖値が上がってきて満タンをキャッチすれば、『もう食べない』という指令が満腹中枢に届き、食欲のスイッチがOFFになります。
つまり食欲とは胃袋で感じるものではなく、脳が出している指令なのです。
実はその脳の指令だけに忠実に従っていれば、野生の動物たちと同じように肥満にはなりません。
でもそこが高度な知性と感情、さらには豊かな味覚を持つ人間の悲しさ、おいしそうな匂いをかいだり見たりしただけで、そのおいしさを連想してしまい、食欲がムクムク・・・今日もついつい過食に走ってしまうのですね・・・・・・
|